子供が不登校になって不安だし心配…。
周りに同じように不登校で悩んでいる人もいないし、どうしたらいいんだろう?
元小学校教員・塾講師として約7年の指導経験があるまつもとです。
どんな理由であれ、お子さんが学校に行けなくなったというのは親としてはショックですよね。
不登校は先が見えないトンネルのように感じて、心配や不安は尽きないかと思います。
最初にお伝えしたいのは、不登校は親の問題でも子育て方法が悪かった訳でもありません。
今はお子さんの休息期間。
お子さんはもちろん、保護者の方ご自身を責める必要は一切ありません。
そして悩んで検索してこのページにたどり着いているということは、それだけお子さんに真剣に向き合おうとしている証です。本当にお疲れ様です。
文部科学省が発表している「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」によると、不登校の小学生・中学生を合わせると、全国で約24万人いるとのデータも出ています。
そこで、今回は過去に不登校経験のある方やその保護者の方50名に、不登校だった頃の体験談や不登校期間中の過ごし方をお寄せいただきました。
この記事では、不登校の体験談や今不登校に悩んでいる親子に向けたメッセージをご紹介します。
小学生の不登校 体験談
小学2年生の1年間不登校になった男子の体験談(保護者)
最初の一か月位は遊びました。
とことん遊んで本人が話したくなったら話を聞いて同意して2人でどうしたら良いかを考えました。
うちは人間関係で行けなくなってしまったので勉強に抵抗がなかったのは幸いだったのかなと思います。
なので学校と同じ時間の生活リズムにして空欄の時間割表を作りに一日やることを毎日考えました。
遊びと勉強、読書、料理など好きなものをはめ込み、当時は5時間授業だったので3時間は本人に決めさせて残りの2時間は私が決めました。
私は学校で、その日にやった教科書のページを担任の先生と連絡を取りながら勉強を進めました。
また良く図書館に行って好きなだけ本を読ませましたね。
冷暖房も完備ですし私自身もずっと家で2人きりでは滅入るのでいい気分転換になりました。
うちは1年間で学校に復帰することができましたが、不登校になると親は凄い大変ですが子供の心中はもっと大変でグチャグチャです。
学校に戻るには心の休息と本人の前向きなる強さを見つける力が必要です。共倒れにならないよう無理せず生きてください。
今は学校に行かなくても学ぶ手段はたくさんあります。
どうか家族で良い道を見つけてください。
小学1年生〜2年生の2年間不登校になった女子の体験談(保護者)
友達との関係や小学校に上がった環境の変化からか、小学校低学年の頃不登校でした。
家にいる間は、映画やアニメをよく見ていました。本来なら時間がかかる過去のアニメ作品の全話の視聴などです。
うちの娘の場合は精神的に病んで不登校になってしまったので、好きでないことは基本できません。体も弱って体力がなくなってくることも多く、動くことに対してもハードルが高かったようです。
その点好きなものをとことん見るということはできるので、普段できないことを思いっきりしてもらって、適度に休憩をとってもらうことをしていました。
不登校になりたての時はとにかく、楽しいことをみつけて何でもできる範囲でやらせてあげるように心がけてました。
気持ちが落ち着いてきた頃に、家事を一緒にやったり、学校に行っていたらできないこと(平日の午前中に映画を見に行くとか、買い物に行く)をやって少しずつ体を動かすようになったのは安心しましたね。
外に出られるようになった最初の頃は後ろめたさで外出できない時もありました。なので無理せず、人のいない時間に散歩することもありました。
親としては「あせらない」「本人を絶対に責めない」と常に自分自身に言い聞かせていましたね。
時間はかかりましたが、今はフリースクールに元気に通えるようになりました。
小学5年生の1年間不登校だった女子の体験談(本人)
同級生からのいじめをきっかけに、学校に行けなくなりました。
不登校だった期間は、毎日9時頃に起きて朝ごはんを食べて、ダラダラと過ごしていました。
ほとんど毎日家から出ず、ひたすらゲームする毎日。
でも勉強は好きだったので、たまに気が向いたら教科書を開いて勉強していました。
疲れたら昼寝したり、お腹が減ると簡単な物を自分で作って、ご飯食べていました。
さすがに毎日家にいると本当に精神的におかしくなりそうなので、天気がいいときは家の周りを散歩したり、近くのスーパーに買い物に行ったりしていましたね。
6年生に上がるタイミングで別の学校に転校して学校に行くことはできるようになりましたが、多少でも勉強はしておいてよかったなぁと思いました。
小学1年生から9年間不登校だった女子の体験談(保護者)
私の娘は小学校1年生から中学校を卒業するギリギリまで不登校でした。
理由と言う理由は、今になっても本人にすらよく分からないそうです。
でも、高校生になった今、彼女は1日も休むことなく学校に通っています。
それは、彼女には料理人になるという夢があり、調理師の免許を取得する為高校進学が自分にとって必要だと、自分自身で気がついたからです。
親として不登校の子供の将来に不安を感じ、辛い思いもあるかと思いますが子供は一人一人、それぞれに歩むペースが違います。
周りの子と同じ様に出来る事もあれば出来ない事もあるのでしょう。
そういう時こそ、周りの目は一旦置いといて、我が子をしっかり見てあげるのが親の務めだと思います。
不登校で家に引き篭もりがちなら、それこそ一緒に色んなことをするチャンスです。
我が子の声を聞く、思いを知る、チャンスだと捉えてたくさん会話なさって下さい。たくさん愛情を注いで下さい。
焦らなくても、子供はあっというまに大人になってしまうものです。
中学生の不登校 体験談
うつ病で不登校になった女子の体験談(本人)
学校に行けなくなった原因としてうつ病があったので、最初の方は本当に何もできずに布団で寝ているだけで1日が終わる状態でしたが、体調が回復してくるにつれて勉強や習い事を始めました。
学校に行かなくても勉強が遅れてしまわないように週に2回の個別指導塾と進研ゼミを利用していました。
家にこもりがちで運動不足になってしまわないために週に2回スイミングスクールにも通いました。
それでも時間を余してしまうため、掃除や洗濯などの家事をしました。
中学校3年間不登校だった女子の体験談(本人)
私自身の体験です。家ではゲームをしたり、ネットで動画を見たり、テレビをよく見ていました。
外に出るのが怖いせいで、運動不足も加速し、鈍る体が嫌で、youtubeのダンス動画を見て踊ったりしていました。
当時は、引きこもって勉強も何もせず、というか出来る精神状態ではなかったので、周りからはただ怠けていると思われたりする時もありました。
正直それが一番辛かったです。
家の中にしか安心していれない、学校を連想させる物はとにかく嫌な事しか思い浮かばない、だから好きな事に逃避していました。
でも、逃避しなければどうにかなりそうでした。
両親は理解があり、好きなようにさせてくれましたが、兄が私の事を怠けているだけだと思っており、恥じられ、嫌われました。
家族に否定される事が、胸が張り裂けそうで、ただただ辛かったです。
今では、徐々にですが克服し、順調に大学生活を送っております。
ピアノ伴奏に落選して不登校になった女子の体験談(本人)
校内ピアノ伴奏にまさかの落選。
本命中の本命と言われていた為、そこから学校に行けなくなりました。
ピアノはもう弾かないかと思っていましたが、毎日弾いてました。
アップライトだと学校に行っていない事が分かってしまうので、昼間は電子ピアノをヘッドフォンを付けて弾き、放課後の時刻になるとアップライトピアノに変更してました。
また希望している高校に入る為勉強してました。
私立は出席日数を推薦以外は重視しないので、偏差値を上げることに目標をおいてました。
結局中学校の間は落選のトラウマが合って学校にいけませんでしたが、希望の私立高校に合格でき、そこからは毎日学校に行けるようになりました。
高校生の不登校 体験談
高校1年で1ヶ月不登校になった女子の体験談(保護者)
高校1年生の1ヶ月だけでしたが、娘が不登校になりました。
理由は当時ははっきりとは話しませんで下が、環境の変化についていけなくなってしまったのかなと思います。
不登校になると、一日中ゲームばかりして過ごしていました。
最初のうちはそのことを叱っていましたが反抗するだけなのでゲームをしても何も叱らないようにしました。
逆に、ゲームの話しを一緒にしたり好きなゲームを一緒にしたりして会話をするようにしました。
そのうち、それまで反抗的だった子供がゲームという共通のツールを通して話が出来るようになりました。
最初は、たかがゲームと思っていましたが共通の話題になってとても助かりました。
今では娘も大学生になりました。
当時を振り返ると、高校生だからと安心してあまり親子でコミュニケーションをとってあげる時間がなかったのかなと感じます。
不登校になったことで、親子で不安になることも多かったですが、ゲームの話をきっかけに会話が増えたのはよかったです。
高校2年生の1年間、不登校だった男子の体験談(保護者)
原因は今でもはっきりとはわかりませんが、息子が高校2年生に上がってすぐの頃から1年不登校でした。
勉強は全くせず、部屋に引きこもってずっとスマホをいじっていました。
部屋から出てくるのはトイレと食事とお風呂くらい。
家族との会話もほとんどなく、こちらが話しかけてもうなずくか首を横に振るかくらいで、コミュニケーションは全く取れない状況でした。
食事も不規則になり、食べる量も減り、かなり痩せましたね。
それでも親しかった友達とは連絡を取り合っていたようで、土日は友達のところに遊びに行ったり、自宅に友達が遊びに来てくれたりはしてました。
この先どうなるのだろうと心配しましたが、高校を辞め、通信制の高校で勉強することになり、何とか卒業することができて、今は専門学校に通っています。
子供は子供なりに将来のことはちゃんと考えているのだと思います。
いろんな道があっていいのだと今は思っています。
今不登校のお子さんや親・保護者の方へのメッセージ
小学生から高校生までの不登校の体験談をご紹介しました。
最後に、今不登校で悩んでいるお子さんやその保護者の方へ向けて寄せていただいたメッセージも合わせてご紹介します。
真摯にアンケートに答えてくださったみなさま、本当にありがとうございました!
今不登校で悩んでいる方の参考になる言葉がたくさんありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
将来が心配だとは思いますが、後の努力次第でどうとでもなります!(小2〜小4男子本人)
それでも不登校で学校に行けなかったことは後悔してないし、家で過ごした時間は何にも代えられない大切な時間だったと思っています。
親がそばにいてくれるだけで、安心するしこうしてほしいとかはなかったです。
一緒に話したり何か家事をしたり、うまく言葉にできませんが、一緒にいてくれたらお子さんは嬉しいのではないかと思います。(小2〜中2女子本人)
深刻な問題が後ろにある可能性が高いから!(小5〜中2男子本人)
そして、そこで止まっていないで、なんとか回復しようともがいています。
焦る気持ちはわかりますが、子供の人生は子供のもの。
良くなるのも悪くなるのも自分次第だと言い聞かせて、あとは見守るしかないのではないかと思います。(中1男子の保護者)
でも、お子さん自身、この世で誰も味方なんていないんじゃないかって思うくらい、孤独を感じています。
どうか親御さんだけは味方でいてあげてください。(小5女子本人)
しかし娘は高校からは、いい先生や友人に囲まれて楽しい学校生活を送れました。
いじめや、同級生とのトラブル、先生との相性が悪くて通えない場合は、通信制高校、高卒認定試験などの選択肢があるので、本人にあった選択肢を見つけてください。(中3女子の保護者)
きっとあなたのお子さんに合う環境の学校があるはずです。
今は少し心を休めて、無理をせずに進学に向けて探してみて下さいね。
悩んでいるのはあなたと、あなたのお子さんだけではありませんよ。(中1〜中3女子本人)