発達障害のあるうちの子、中学受験をさせようかと悩んでいる。
でも受験勉強って大変だと聞くしお金もかかるし、どうなんだろう?
中学受験のための勉強法はやっぱり塾じゃないとだめ?
集中力がないし、塾は合わなそうだなぁ…。
元小学校教員・塾講師として約7年の指導経験があるまつもとです。
一般的には「中学受験は頭のいい子が必死に勉強して合格するもの」というイメージがありますが、実は発達障害がありながら中学受験をしてのびのびと学生生活を送っている子も多くいます。
しかし発達障害を持つお子さんの中には
- 集中力がない
- 忘れ物をしやすい
- 持ち物管理ができない
- 不安になるとパニックになる
のような特性があるため、一般的な中学受験と同じように勉強するのが難しい場合もあります。
そこでこの記事では、発達障害を持ちながら中学受験を目指す親子に向けて、メリットとデメリット・お子さんに合った効果的な学習の仕方をご紹介します。
発達障害の子が中学受験をする理由とは?
そもそも、発達障害を持つお子さんが中学受験をしようと思う理由にはどんなものがあるのか見ていきましょう。
読みながら、あなたのお子さんが中学受験をする理由についても考えてみてくださいね。
同級生と同じ中学校に進学したくない
発達障害を持つお子さんの中には、小学校でいじめられたり嫌な思いをしたりしている子もいるのではないでしょうか。
公立の小学校から公立の中学校に行けば、同級生はほぼ同じメンバーで進学することになってしまいますよね。
いじめや居心地の悪い環境から抜け出すために、中学受験をしたいと考える家庭は多いです。
内申点も関わる高校受験が心配
授業に集中できなかったり宿題を忘れたりと、生活面に不安のあるお子さんの場合は、中学校に進学した後の内申点を心配する保護者の方は多いでしょう。
高校受験では筆記試験ももちろんありますが、内申点と言われる中学校での生活態度も考慮されて合否が決まることが多いのが現状です。
テストの点数が圧倒的に良ければ多少内申点が低くてもなんとかなるかもしれませんが、中学生になれば当然学習内容は小学生よりも難しくなりますよね。
テストの点数のみで合否が決まる中学受験なら、小学生の今頑張っておけば、高校受験を心配せずに学生生活を送ることができる可能性は高まるでしょう。
得意な能力や教科をより伸ばしたい
自閉症スペクトラムのお子さんに多いのが、「コミュニケーション面では心配があるけど勉強はとてもよくできる」というケースです。
独自のカリキュラムを持つ私立中学校であれば、お子さんが持つ可能性や得意をより大きく伸ばしてあげることができるかもしれません。
進学校の中にはのびのびとした校風の学校も多いので、ストレスなく学習に集中できる環境で過ごせるでしょう。
発達障害の子が中学受験をするメリット
新しい環境で中学校生活がスタートできる
中学受験をすれば、今までいた学校とは違う学区に通うことになり、新しい環境で1から中学校生活を始めることができますね。
特に小学校であまり居場所がなかったり、いじめにあっていたりした子にとっては自分らしく生活できる一歩になるかもしれません。
お子さんに合った中学校を選ぶことができる
私立中学校は公立にはない施設やカリキュラム、校風があるため、お子さんに合った学校を選ぶことができるのもメリットの1つです。
文化祭などの行事にお子さんと一緒に一度行ってみると雰囲気もつかめるのでおすすめです。
また学校説明会などを頻繁にやっていますので、
- 発達障害を持つ生徒は在学しているか
- カウンセラーやサポート体制はあるのか
などをしっかり確認しておくと、よりお子さんに合った学校選びができますね。
達成感と自信を持たせることができる
「中学受験は親子で一緒に乗り越える」とよく言われています。それくらい大変なことも多いですが、
- 昨日解けなかった問題ができるようになった
- 先生に褒められた
- 昨日より10分長く勉強できた
といったお子さんの成長のきっかけにもなります。
希望していた学校に合格ができれば、お子さんはもちろんこれまで支えてきたお母さん自身も、子育ての自信につながるでしょう。
発達障害の子が中学受験をするデメリット
塾代や学費がかかる
デメリットとして一番大きいのはやはり費用面です。
中学校入学後は、中高一貫校の場合6年間の学費の支払いは必要になります。
また、受験勉強で大手進学塾を利用した場合の費用は小4〜6の3年間で約200万円という試算も出ています。
ただ学校によっては奨学金制度を設けているところも多いので、上手に利用して通学することもできます。
受験勉強に関しても、通信教育や家庭教師を効果的に利用することでぐっと金額を下げることもできるでしょう。
お弁当が毎日必要になることも
公立の中学校では給食があることが多いですが、私立中学校だとお弁当持参というケースもあり共働きの家庭にとっては負担という声もあります。
学校によっては売店や食堂などが用意されていたり、お弁当を注文できる学校もありますので、上手に利用するのも手ですね。
親の学習スケジュール管理が必要
受験勉強中の大きな悩みは、学習スケジュールや勉強で使うプリント・道具の管理を親がする必要があることです。
中学受験をする親なら誰でも持っている悩みですが、特にADHDやASDを持つお子さんの場合は、持ち物管理は1番の苦手という子も多いのではないでしょうか。
持ち物の管理は家庭でしかできないことなので親がしっかりすると割り切り、勉強面については発達障害の知識を持つ講師にお願いしてしまうのが一番負担が軽減されるのでおすすめです。
発達障害の子の中学受験に向けた学習スタイルは?
発達障害の有る無しに関わらず、合格するために学ぶ内容は同じです。
一番重要なのは「お子さんに合った環境で、お子さんに合った先生と学習ができるか」ということです。
中学受験に向けた学習スタイルには次の3つの方法があります。
- 中学受験向けの塾に通う
- 家庭教師を利用する
- 通信教育を利用する
特に発達障害を持ったお子さんだとそれぞれの学習スタイルによって向き不向きがあります。
あなたのお子さんにはどんな学習スタイルがあっているのかをまずは確認しましょう。
気になるものは2〜3社資料請求や体験授業をして比較してみるのがおすすめです。
中学受験向けの塾に通う
中学受験をするお子さんの多くは、サピックスや日能研、四谷大塚といった進学塾に通って勉強しています。
中学受験向けのカリキュラムや教材がしっかりしていて成績によってクラスも分けられていることも多いため、同じくらいの学力のお子さんと一緒に切磋琢磨しながら学習することができます。
また中学受験に関する情報も多く持っているため、効率的に受験情報を得ることができるのも塾の良さですね。
ただし発達障害を持つお子さんには、集団で一斉に授業をするスタイルに馴染めずに塾を嫌になってしまうケースは多々あります。
- 集中力がない
- 友達付き合いが苦手
- マイペースに学習したい
- 人が多いのが嫌い
- 周りの目が気になる
といったお子さんには、かなり厳しく辛い環境と言えるでしょう。
家庭教師を利用する
自宅に先生が来て指導をしてくれる家庭教師であれば、周りの目を気にせずに学習に集中することができます。
費用は塾に比べると高くなる傾向にありますが、お子さんだけのオーダーメイドカリキュラムが組めるので、学習効果は高まりますね。
例えば学研の家庭教師や家庭教師のノーバスは、中学受験コースだけでなく発達障害のお子さん向けのサポートも充実している上、費用もリーズナブルに抑えられています。
家庭教師の最大のポイントはいい先生と出会えるかどうか。気になったらまずは体験授業を試してみましょう。
また先生が家にくるのではなく、オンライン上で指導をしてくれるオンライン家庭教師というサービスも近年人気が高まっています。
- 家に先生がくるのはちょっと抵抗がある
- 直接対面して指導してもらうのを嫌がるかも
という場合は、オンライン家庭教師も合わせてチェックしてみましょう。
通信教育・タブレット学習を利用する
費用をできるだけ抑えるなら、通信教育を利用するのもおすすめです。
特にオンラインで利用できるタブレット学習であれば、
- 自動採点で効率よく問題が解ける
- AIが自動で苦手な問題を再出題してくれる
- 動画やアニメーションによる解説がわかりやすい
など、文字情報だけだと学習が難しい発達障害の子にも理解しやすい機能がそろっているのが大きな魅力ですね。
塾や家庭教師のようにマンツーマンで指導してもらうことは難しいですが、
- 人とコミュニケーションを取るのが苦手
- 周りに人がいると気が散って集中できない
- 1人で黙々と勉強する方が合っている
という子には、使い方さえ覚えてしまえば効率よく学習することができます。
発達障害の中学受験におすすめのタブレット学習4選
無学年学習のすらら
「まだ中学受験をするか迷っている」
「まずは今の小学校の授業についていけるようにしないと」
と考えている方は、費用は抑えつつしっかりと学力をつけられる通信教育を利用してみましょう。
特に発達障害を持つお子さんの成績アップの実績も豊富な「通信教育のすらら」がおすすめです。
- 自宅のパソコンやタブレットで学習できる
- プロ講師の「すららコーチ」が学習をサポートしてくれる
- 小学校低学年の教材は、発達障害の専門家が監修
というのが特長で、自宅で学習できる教材でありながら、手厚いサポートが受けられるのが評判です。
月額8,228円〜(税込)と、塾や家庭教師に比べてリーズナブルに学習できるのもありがたいですね。
Z会の通信教育
特に「Z会の通信教育」は、通信教育だけでも学習ができるようなカリキュラムがしっかり作られています。
採点や教材の管理は親が手伝う必要がありますが、家庭内だけで学習をさせたい場合には使いやすいでしょう。また塾や家庭教師の補助教材としても利用できます。
カンガエMAX。
カンガエMAX。は、考える力を育てることに特化したタブレット学習です。
特に言葉を使った論理的思考力の育成が得意な教材で、
- 言葉で説明する力
- 表現する力
- 分析する力
などを国語や算数の問題を通じて伸ばすことができるのが他にはない魅力ですね。
特に発達障害の子の中には、言葉で表現するのが苦手でつい手が出たり行動で表現しようとする子も。
中学受験に必要な思考力や分析力の育成が得意な教材ですが、中学受験するに関わらず
- 自分で考えて書いたり表現したりする力をつけたい
- 国語や算数の文章問題が苦手、でもどうやって読解力をつければいいかわからない
というお子さんにもおすすめです。
スタディサプリ小学講座
「スタディサプリ小学講座」の応用講座も、中学受験に対応した内容の授業を月額1,815円〜(税込)で好きなだけみることができます。
大手進学塾で指導実績のあるプロ講師が授業をしているので、「塾並みの授業を受けたいけど塾は苦手」というお子さんにもおすすめですよ。
お子さんに合った学習方法を選ぼう
発達障害のお子さんの中学受験について、メリット・デメリットやおすすめの学習スタイルについてご紹介してきました。
この記事が、お子さんの良さを生かした学校への入学や勉強法の参考になればうれしいです。
また今回紹介した4つの教材は、すべて無料の資料請求やお試し体験ができます。
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