学研教室と公文式はどう違うの?
うちの子に合った方を比較して選びたい!
元小学校教員や塾講師として約7年の指導経験があるまつもとです。
学研教室と公文式は、どちらも幼児や小学生のお子さんを持つご家庭に人気の学習塾ですね。
どちらも全国に教室があるので、近所に教室があるご家庭も多いのではないでしょうか?
この記事では学研教室と公文式の違いについて、料金や学習内容などを詳しく比較してご紹介します。
学研教室と公文式は、それぞれ次のような子におすすめです。
どちらも週2回の通塾やプリント学習などの共通点が多いですが、教材内容やつけたい学力が違うのが大きな特徴ですね。
また料金面では学研の方が安く、国語・算数・英語の3教科受講であれば毎月8,000円以上の差があります。
- 学研教室:小学生3教科の場合、月額13,200円(税込)
- 公文式:小学生3教科の場合、月額21,450円〜23,100円(税込)
もし「料金を抑えて学習したい」場合には、学研教室の方が継続して利用しやすいですね。
どちらも定期的に無料体験学習を行っています。
公式サイトから近くの教室を検索することもできるので、気になった今のタイミングで公式サイトを確認しておきましょう!
学研教室と公文式の学習内容の違いを比較
学習スタイルの違いは?
学研教室 | ・週2回の通塾(幼児は週1コースあり) ・学年に関係なく学べる無学年学習 ・学習指導要領に沿ったオリジナル教材 |
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公文式 | ・週2回の通塾 ・学年に関係なく学べる無学年学習 ・公文式独自のカリキュラムに合わせたオリジナル教材 |
学習スタイルは、学研教室と公文式は共通点が多いですね。
特に学年に関係なく学べる無学年学習なので、お子さんの今の学力や理解度に合わせたペースで学べるのが大きなメリットです。
違いはやはり各社オリジナルのプリント教材です。
学研教室の学習スタイル
学研教室の教材は、12級から1級までの級ごとにプリントが分かれています。
特に小学生の学習範囲である9級以降は、学習指導要領に沿った内容になっているため、学校の予習復習がしやすいのが大きな魅力です。
学研と学校の授業で学習する内容が同じなので、より基礎学力が定着しやすくお子さんも理解しやすいのがメリットですね。
学習する教材は教室の先生がお子さんの理解度を確認した上で、お子さんに合ったプリントを選んでくれます。
間違いが多かったり理解が不十分な場合は繰り返し同じ問題を解いて少しずつステップアップできるのがいいですね。
公文式の学習スタイル
公文式の教材もプリント学習ですが、独自のカリキュラムで作られているため学校の授業進度には合っていません。
全ての学習の基礎となる計算力や読解力を育成した上で、問題解決力や思考力をつけることを重視した教材になっているのが特徴です。
また特に入会から半年程度は公文式の学習に慣れるためにかなり簡単な範囲から学習がスタートします。
中長期的に見ると中学受験にも対応できるだけの計算力や読解力がつけられるのが大きな魅力ですが、最初はやや退屈に感じる場合もあります。
算数の学習内容は?
学研教室 | 目的:論理的思考力の育成 ・計算、文章問題、図形、データ活用と幅広く学べる ・算数のみの単科受講ができない |
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公文式 | 目的:高校数学が解けるだけの計算力・数学的センスの育成 ・計算が多め、図形や文章問題は国語で学ぶ ・算数のみの受講OK |
学研教室の算数
学研教室の算数は、
- 計算
- 文章問題
- 図形
- データ活用
と幅広い内容がカバーされているのが大きな特徴です。
計算だけではなく幅広く論理的思考力や情報を読み取る力などを身につけることができようになっているのがいいですね。
ただしデメリットとして、学研は算数のみの単科受講ができません。
国語と算数の2教科セットでしか受講できないため、算数のみで学習したい場合は公文式の方が利用しやすいですね。
公文式の算数
公文式の算数教材は、特に計算力の強化を重視しています。
繰り返し計算問題を解くことで、正確に早く問題を解くことができるようになるのが大きなメリットですね。
慣れてくると計算がストレスなく反射的にできるようになるため、中学受験などの難しい応用問題を解く際にもミスを減らして取り組めるようになります。
一方で、図形問題や文章問題は公文式の算数プリントではほとんど扱わないため、計算以外の力が育ちにくいというデメリットもあります。
国語の教材で一部文章として図形問題が出てきますが、算数のみの単科受講の場合は別で学習する必要があるかもしれませんね。
国語の学習内容は?
学研教室 | 目的:スモールステップで読む力・書く力を育成 ・ひらがな・漢字、文法、読解、表現と幅広く学べる ・国語のみの単科受講ができない |
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公文式 | 目的:高度な読解力・読書力の育成 ・読解問題が多め、ひらがな漢字もあり ・国語のみの受講OK |
学研の国語
学研教室の国語教材も、算数同様に学校の指導要領に対応した教材になっています。
- ひらがな・漢字
- 文法
- 読解
- 表現
と、幅広い内容がしっかりカバーされているのがメリットですね。
またプリントを進めながら段階的に読解力や表現力がつく「スモールステップ方式」で学習を進めることができるので、無理なく記述問題でしっかり書けるようになるのも嬉しいポイントです。
公文式の国語
公文式の国語教材は、特に読解問題に重点を置いていて、そのために必要な言葉や文法知識を学ぶという教材構成になっています。
特に幼児や低学年の教材は声に出して言葉や文章を読む音読が必ずあるのも大きな特徴ですね。
教室では先生の前に音読をしてタイムを測ったりする学習もあります。
国語も算数同様に、
- 学研はセット受講のみ
- 公文式は国語だけの受講OK
となっています。
英語の学習内容は?
学研教室 | 目的:使える英語の基礎を身につける ・プリント教材とデジタルコンテンツで学習 ・実践英語が学べるアドバンスコースあり ・英語のみの受講OK |
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公文式 | 目的:高度な英文読解力を身につける ・プリント教材とタッチペンで学習 ・「聞く読む」から段階的に文法学習までできる ・英語のみの受講OK |
学研教室の英語
学研教室の英語教材は、プリント教材合わせてデジタルコンテンツも使いながら学習していきます。
デジタルコンテンツもプリントの級に対応した教材になっていて、
- 英語の歌
- ストーリー
- カードゲームやクイズ
- 発音練習
などを学習することができます。
音楽やアニメーションを見ながら楽しく英語に触れることができるので、英語が初めての子でもゲーム感覚で英語学習ができるのがいいですね。
このデジタルコンテンツでインプットした内容を、プリントを使ってアウトプットをしていきます。
- 文字やイラストで表現の確認
- 読む
- 書く
- 話す
など、デジタル教材と合わせてしっかり英語4技能を伸ばせるような教材構成になっているのが魅力ですね。
より実践的な英語を学べるアドバンスコースも用意されているので、ある程度英語学習の経験がある子にも対応しています。
また英語は単科のみの受講もOKなのも嬉しいポイントです。
公文式の英語
公文式の英語教材は、プリント教材とタッチペンを活用して学習を進めます。
公文の英語のプリントには、タッチペン(イーペンシル)をタッチすると音声が流れるマークがついています。
お子さんはプリントのマークを押して、音声を聴きながら英単語や英文を学習できるので、すぐに発音や英語のリズムを確認できるのが大きな特徴ですね。
国語と同様に英文をすらすら読めるようになることを目標として構成されているので、教室でも英文の音読確認をしてもらうことができます。
また公文の英語プリントも
- タッチペンで発音を聞く
- 音読をして発音する
- 英単語や文章を書く
- 英文を読む
という4技能の活動が、1回分の学習教材でできるようになっているので、小学生のうちに身につけたい英語の基礎をしっかり固めることができますね。
理科社会の学習は?
学研教室 | ・「科学教室ぷらす」「理科・社会コース」で学習できる ・理科社会コースの単科学習はできない |
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公文式 | ・学習できない |
理解・社会も学習したい場合は、公文式では理科社会の教材はないので、学研教室の方がおすすめです。
- 科学教室ぷらす
- 理科・社会コース(5・6年生)
があり、化学教室ぷらすのみの単発受講をすることもできます。
自宅ではなかなかやりにくい実験や観察をすることができるので、よりリアルに理科の知識や経験ができるのがメリットですね。
理科社会コースも他のコース同様にプリントで学習を進めていきます。
どうしても暗記ばかりになりがちの教科ですが、基本的な学習をした上で地図や統計データ、資料の読み取りなどをしながら幅広く考える力をつけることができる教材になっているのがいいですね。
ただし
- 理科社会コースのみの受講ができない(算数・国語とセット)
- 一部教室では理科社会コースがない場合がある
というデメリットもあります。
学研教室公式サイトの教室一覧から最寄りの教室で受講できる教科が確認できるので、一度チェックしておくと安心ですね。
オンライン学習はできる?
学研教室 | ・オンライン学習あり(学研教室オンライン) ・教室受講との併用はできない |
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公文式 | ・教室+オンライン指導コースあり ・オンラインのみの受講はできない |
2020年以降から、どちらもオンラインでの学習ができるようになりました。
学研教室のオンライン学習
学研教室では、教室受講のほかにオンライン学習サービス「学研教室オンライン」を選んで学習することができます。
通常週2回の通塾なしで、自宅から専用ページにログインして学習を進めることができるのがとても便利ですね。
オンライン学習と教室受講の併用はできませんが、特に不登校や発達障害など、周りに人がいると集中しにくい子でも安心して取り組めるのが魅力です。
公文式のオンライン学習
公文式でも、教室学習とオンライン指導を組み合わせたコースを受講することができます。
学研とは違い、
- 週1回の教室での対面学習
- 週1回の自宅でのオンライン学習
と教室受講とオンライン学習を組み合わせて学習を進めていきます。
それぞれの学習回数は教室の先生と相談しながら決めることができるため、お子さんの状況に合わせて柔軟に対応してもらえるのが魅力ですね。
ただし、公文式の場合はオンラインのみの受講ができません。
必ず教室学習との併用が前提となるので、完全にオンラインで学習したい子には向いていないかもしれません。
学研教室と公文式の料金・月謝を比較
一般的な算数・国語・英語の3教科を、週2回受講した場合で比較しました。
学研教室 | 公文式 | |
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入会金 | 5,500円 | なし |
教材費 | なし(月謝に含む) | なし(月謝に含む) |
その他の費用 | 月220円 (システム環境維持費として) | なし (教室によっては冷暖房費などあり) |
月謝(幼児) | 13,200円 (年長) | 21,450円〜23,100円 (1教科あたり7,150円〜7,700円) |
月謝(小学生) | 13,200円 | 21,450円〜23,100円 (1教科あたり7,150円〜7,700円) |
月謝(中学生) | 17,600円 | 24,750円〜26,400円 (1教科あたり8,250円〜8,800円) |
学研教室は入会金やシステム環境維持費がかかりますが、月謝が安く抑えられるのが魅力ですね。
算数・国語・英語の3教科で小学生なら月13,200円と、公文式と比べると1万円近く料金が安いことがわかります。
ただし利用するコースによっては追加で教材費や運営費等がかかる場合があるため、入会時にしっかりと確認しておきましょう。
一方公文式は入会金などはかからないものの、月謝が1教科あたり7,150円からと高めです。
教科数が増えるほど料金も高くなるため、家計への負担は大きくなるのはデメリットですね。
ただ公文式は1教科のみの受講ができます。
学研教室は算数と国語のセットで8,800円なので、算数だけ・国語だけを受講したい幼児や小学生のご家庭は、公文の方が少し料金を抑えることができますね。
学研教室と公文式をお子さんの特性・目的別で比較
中学受験対策はできる?
学研教室 | ・専用コースなし ・基礎学力の育成が中心のため、中学受験対策としては不向き |
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公文式 | ・専用コースなし ・中学受験にも役立つ高度な計算力・思考力が付く可能性はある |
学研教室も公文式も、中学受験に向けた専用コースなどはありません。
公文式の場合は計算力や読解力を重視した学習のため、中学受験で必要な力がつく可能性はあります。
中学受験向けのおすすめ通信教育・タブレット学習をまとめた記事もあるので、こちらも合わせて参考にしてくださいね。
発達障害の子でも学習できる?
学研教室 | ・受講OK、サポート体制は教室によって異なる ・周りが気になる場合はオンライン指導もおすすめ |
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公文式 | ・受講OK、サポート体制は教室によって異なる |
どちらも発達障害のお子さんでも受講できます。
ただし、サポート体制や発達障害の理解度は教室の先生ごとに異なります。
スタッフも含めて教室の先生が発達障害のお子さんに慣れていない場合は、お子さん自身も叱られたり注意されることが多くなり、自己肯定感が下がって学習意欲までなくなってしまうことも。
教室で学習する上で何かサポートや配慮が必要な場合は、必ず事前に教室の先生に相談しておきましょう。
またどちらも「他の子がいる教室で、お子さん1人でプリント学習をする」という学習形式になっています。
- 周りに人がいると気になって集中できない
- 30分以上座って勉強することができない
- ゲーム感覚で勉強する方が向いていそう
というお子さんの場合は、発達障害の子でも利用しやすいタブレット学習も合わせて検討してみましょう。
例えばすららなどの、発達障害のお子さんへのサポートが手厚く成績アップ実績が豊富な教材がおすすめです。
不登校の子でも学習できる?
学研教室 | ・受講OK、サポート体制は教室によって異なる ・自宅から受講できるオンライン指導もおすすめ |
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公文式 | ・受講OK、サポート体制は教室によって異なる |
学研と公文式は、通学しているしていないに関わらず受講することができます。
ただしこちらも発達障害と同様、特別なサポート体制はありません。
特に学研教室の場合は、完全オンライン受講もできるので
「あまり人と関わりたくない」
「安心できる自宅で、学校の授業と同じ内容を学習したい」
というお子さんにおすすめです。
ちなみに不登校のお子さん向けに「デジタル教材を活用した自宅学習を学校の出席扱いとして認定する」という制度もあります。
こちらは文部科学省が公表している制度で、サポート体制が整っているタブレット学習であれば条件を満たした上で認定される可能性も。
すららは不登校でも出席扱いになる?という記事でより詳しく紹介しています。
学研教室と公文式はそれぞれこんな子におすすめ
学研教室と公文式について、学習内容や料金などを詳しく比較してご紹介しました。
通塾やプリント学習など共通点の多い学研と公文ですが、
と、それぞれ特徴が違います。
また料金は2教科以上の受講であれば学研教室の方が安いので、より家計にも優しく続けやすいのが魅力ですね。
どちらも長年利用されている小学生向けの塾ですが、大切なのはお子さんに合うかどうかです。
どちらも時期によっては無料体験学習を行なっているので、1度見学や体験に行ってお子さんとの相性や取り組みを確認してみましょう。
また学研教室は無料で資料請求もできるので、無料体験がない時期でもじっくり検討できるのが便利ですね。
近くの教室検索もできるので、気になった今のタイミングで公式サイトをチェックしておきましょう!